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たまには芸能記事を and 本館更新

国立大卒ニートの私と、就職指導

↑ ニートひきこもりJournal本館を更新しましたので、お知らせします。

* * * * * * * * * *

http://headlines.yahoo.co.jp/
hl?a=20070716-00000001-oric-ent


↑ たまには芸能ネタを書きます。俳優を引退した千葉真一がニートについて触れています。

発言の真意については、これだけでは十分に分かりませんが、ニートをやりたくてやっているわけではない私にとっては、こうした考えを持つ人がいるのは心強いです(好きでニートやってる人にとっては、「大きなお世話」と感じるかもしれませんが)。

それにしても、千葉真一が引退とは。昨日の大河ドラマ「風林火山」で、千葉真一の熱演を見て感動したばかりだけに、残念です。

「風林火山」と言えば、うちの母親は、「Gackt(ガクト)カッコイイー!キャー!」などと熱狂しているのですが、私はむしろ、千葉真一とか、竜雷太とか、ああいう渋い魅力に惹かれます。

厚生労働省のニート調査の詳細

6月29日の各新聞で話題になり、このブログでも「ニートの55%がいじめを経験って…」の中で取り上げた厚生労働省のニート調査の詳細が、公開されています。

「ニートの状態にある若年者の実態及び支援策に関する調査研究」(厚労省ホームページ)
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2007/06/h0628-1.html

調査について詳しく知ろうとするなら、新聞報道といった二次情報に頼るのではなく、直接調査結果を厚労省ホームページなどで見る必要があります。ですが、新聞報道でこの調査が取り上げられたのが6月29日で、厚労省ホームページに詳細が掲載されたのが7月5日です。タイムラグ(時間のずれ)があるので注意しなければなりません。

新聞報道では、ニートの55%がいじめを経験とか、37.1%が不登校を経験といった調査結果が紹介されましたが、それらは調査報告の一部にすぎません。

サンプルに偏りがある点が気になるのですが、ニートの若者についてこれまでにない豊富なデータを分析したものです。ニート問題に関心のある人にとっては、必読と言えます。

新規大卒ニート、6年で3倍!

井本雅文「非標準型キャリアの拡大 : 大学休学者、卒業後無業者の時系列分析を中心に」『日本教育社会学会大会発表要旨集録』第52号、2000年9月、258-259ページ。

↑ 「ニート」という言葉が知られるようになる4〜5年も前の学会発表です。

90年代に入って、高等教育機関の卒業後無業者(平たく言えば新規大卒ニート)の数が急増していることが明らかになっています。例えば、91年には、新規大卒ニートの割合は全卒業者のうち6.0%でしたが、97年には18.0%(!)にまでなっています。

しかし、新規大卒ニートについては、それ以上のことは明らかにされていません。例えば、急増した原因にまでは触れられていません。

私などは、新規大卒ニートの中には、公務員試験浪人者がある程度含まれているのではないかと思っています。私が大学を卒業した頃、そういう人を複数知っていたからです。当時は、安定した公務員を志望する人が急増し、公務員試験が難化していました。もっとも、公務員試験浪人者の中には、大学を留年する人も多かったです。

この学会発表では、新規大卒ニートの数以外にも、大学休業者や最低就業年数超過卒業者について、時系列に分析されています。

http://ci.nii.ac.jp/naid/110004557537/
↑ 今回取り上げた学会発表は、こちらからダウンロードできます。国立情報学研究所が提供するサービスです。

訂正

耳塚寛明、佐藤(粒来)香、長須,正明、小杉礼子、大道真佐美、堀有喜衣、諸田裕子「高卒無業者の教育社会学的研究(2) : 大都市高校3年生調査(第2次)の分析」、『日本教育社会学会大会発表要旨集録』、第53号、2001年、110-115ページ。

「富山には高卒無業者が少ない」でご紹介した学会発表の第2次調査です。

この学会発表要旨によると、ここでいう「無業者」には、今で言うニートだけでなくフリーターも含まれます。以前、「富山には高卒無業者が少ない」の中で「研究の対象となっている高卒無業者は、平たく言えば『高卒ニート』です」と書きましたが、これは誤りでした。失礼いたしました。

著者は、無業者を「フリーター」と「準フリーター」に分けています。ここで言う「フリーター」とは、質問紙で「卒業後の進路として『フリーター』を選択した者」のことです。一方の「準フリーター」は、「自らフリーターと回答していないが、調査時点で『他の進路(進学または就職)を希望していたが現在のところ未定、あるいは卒業後にどうするか全く決めていない』と答えた者」のことです。

そうすると、「準フリーター」の中に、新規高卒ニートが含まれていそうです。

* * * * * * * * * *

この学会発表要旨では、進路希望からみた無業者の輩出構造や、就職や進学をした者とフリーターや準フリーターとの職業生活意識の違い等が明らかにされています。

ニートやフリーターとなると、若者の意識が調査の対象にされることが多いように思うのですが、それだけでなく、進路希望の一貫性に注目している点はユニークです。

また、調査結果では、「フリーターはモラトリアム志向」という言説を覆すような結果が出ています。この調査結果だけを信じることはできませんが、世間で出回っている言説を鵜呑みにせず、きちんとした根拠を大事にすることの重要性を改めて考えさせられます。

http://ci.nii.ac.jp/naid/110004557625/
↑ 上記論文は、こちらからダウンロードできます。国立情報学研究所が提供するサービスです。

ニートの55%がいじめを経験って…

http://news.livedoor.com/article/detail/3215075/

↑ livedoorニュースのサイトより。今朝の新聞にも掲載されていた、厚生労働省のニート調査に関する記事です。

この調査のサンプルに注目です。主として支援機関と関わりのあるニートがサンプルとしてとられているようです。

確証はないのですが、ニートの中には支援機関と関わりのない人も相当数いるのではないでしょうか。ですから、この調査結果でニート全般の傾向を見出すことはできないのではないかと思います。あくまで、支援機関と関わりのあるニートに関する調査と見るべきでしょう。

それから、いじめ経験55%を強調するメディアもありますが、別にニートでなくても、いじめを経験した人は少なくないはずです。

http://www.iza.ne.jp/
news/newsarticle/event/crime/34013/

↑ 新成人の5割がいじめられた経験があるという調査もあります。産経デジタルのサイトです。

とはいえ、この調査結果から浮かび上がってくるニート像は、なんだか私と似ているなーとは思います。

* * * * * * * * * *

それにしても、こういう調査結果は、マスコミ経由で発表するだけでなく、厚生労働省のホームページにも直接発表してもらいたいものです。

私としては、マスコミを通じた二次情報よりも、一次情報にあたってみたいですから。

[関連記事]

◇ 厚生労働省のニート調査の詳細

富山には高卒無業者が少ない

耳塚寛明、小杉礼子、粒来香、長須正明、大道真佐美、堀有喜衣、諸田裕子「高卒無業者の教育社会学的研究(1) : 無業者輩出校と進路指導の分析」、『日本教育社会学会大会発表要旨集録』、第51号、2000年、155-160ページ。

↑ まだ「ニート」という言葉が(日本には)なかった頃の学会発表です。研究の対象となっている高卒無業者は、平たく言えば「高卒ニート」です。「高卒ニート」や「高卒フリーター」です。(2007/07/02訂正)

この発表の中でも重要な部分は後半部分です。高卒無業者を生み出す要因として高校の進路指導に注目し、東京都、富山県、札幌市の高校教員に質問調査を行っています。

それにしても、富山県と福井県が無業者率が顕著に低いのが気になります(99年現在)。

無業者率の都道府県の違いは、さまざまな要因によるものでしょう。富山県の場合は、堅調な労働需要やそれに支えられた進路指導に著者らは注目しています。

あまり関係ないかもしれませんが、富山県も福井県も、浄土真宗の影響が強い地域です。浄土真宗は、近代資本主義の成立と関係が深いとされるプロテスタントと類似点が多いと言われています。

特に富山の人は、売薬の歴史も関係してか、よく働きます。女性の労働力率は非常に高く、数多くの実業家も富山から生まれています(安田善次郎、大谷米太郎、正力松太郎、角川源義ほか)。

もっとも、マックス・ウェーバーのプロテスタンティズムと資本主義の精神の研究については、近年、ハーバード大学のロバート・バローとラシェル・マクレアリーらの計量経済学的分析によって妥当性に疑問符がつけられているとも聞きます。

http://ci.nii.ac.jp/naid/110004557498/
↑ 上記論文は、こちらからダウンロードできます。国立情報学研究所が提供するサービスです。

[関連記事]

◇ 訂正